川越バウムLab.
2022,07 Kawagoe Saitama
ー 新しい蔵つくり ー
「川越バウムラボ」は埼玉県川越市の観光地である蔵造りの町並み中に新築された川島町の老舗お醤油屋さん「金笛醤油」が手掛けるバームクーヘンのお店です。
敷地は「伝統的建造物群保存地区」に指定されており、新築で建てる場合、街並みとの調和が求められます。
一方で、お客様からは商店街の中で他店舗との違いや特異性も求められました。
そこでテクスチャー、外形、部位、配置構成の要素は景観に習い
開口部のルールを現代の活用形態に合わせる事で町に調和しつつ、他の建物と一線を置いた「新しい蔵つくり」の形を提案しました。
本敷地内には既存建物で平成に建てられた蔵造りの建物群があり、その一部として捉えられる様な計画としました。
川越の町屋形式の敷地計画に習って敷地の最奥にある本建物は保存の蔵と捉え小道に対して妻入りとなる様に計画し形態も蔵を模したものとしています。
テクスチャは壁を黒漆喰、屋根を本瓦、床は洗い出しをベースとし、屋根勾配や鉢巻、袴の形体も既存と合わせて、川越らしさ演出しています。
一方で小道に面した北側のファサードは店舗のエントランスとしての顔作りとして、ガラスのカーテンウォールとし、吹き抜けの大空間を演出する設としています。
川越の蔵の形態では北からの風に煽られた火を防ぐために北側開口は開けない形式に対し大きな開口を開ける事で、不燃としての機能は買えず店舗としての特徴的な設を演出しました。
内装はバームの断面を模した杉のなぐり仕上げで年輪を浮き立たせ、間接照明で演出しています。
また、夜間も店内照明を灯すことで夜の町並みに対しても寄与した計画としています。
|建築概要|
計画地 :埼玉県川越市幸町10-5
竣工年月日:2022年7月22日
工事種別 :新築工事
施工 :松村工務店
写真 :アトリエアフロ 糠澤
建築面積 :47㎡
延床面積 :1階41㎡ 2階33㎡
構造 :木造2階建て
用途 :物品販売店